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| 6月30日(月) 旧暦:六月一日 赤口 甲戌 晴れ本日、開店前の神田藪蕎麦を訪れ、ご主人の堀田康彦さんにお会いします。女将さんも同席してくださり、蕎麦のことやこの界隈(旧連雀町)などいろいろな話をすることができました。ひょっとする近いうちに神田藪蕎麦と当倶楽部による「美しい味の体験」企画が発表できるかもしれません。お楽しみに。ところで、この七月二十六日(土)、江戸開府四百年を記念し、九段会館にて江戸蕎麦をテーマにした江戸ソバリエシンポジウムが開催されるそうです。堀田さんも、有楽町更科の藤村和夫さん、巴町砂場の萩原長昭さん、神田まつやの小高登志さんと一緒にパネルディスカッションに参加されるとか。また併せて蕎麦好きを蕎麦通にする江戸ソバリエ認定講座も行われます。これを企画したのは、神田雑学大学というNPOの皆さん。お年を召した方々が中心のNPOということですが、この粋なセンス。すっかり感心してしまいました。
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| 6月29日(日) 旧暦:五月三十日 仏滅 癸酉 曇り後晴れ 夜、鎌倉の節子伯母より電話あり。家の中に百足が入ってきて困るとのこと。春先からこの時期にかけて、鎌倉の、特に山沿いでは百足がよく出没するようです。巨大なのがお風呂場にいたりして引っ越されたばかりの方などはびっくりされるようですね。 |
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| 6月28日(土) 旧暦:五月廿九日 先負 壬申 曇り夜半過ぎに雨 お天気もあまり芳しくなく、一日中本を読んだり、最近お世話になった方々へ手紙を書いたりなどして過しました。夕方、イッテツを連れて両国橋辺りを散歩。 |
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| 6月27日(金) 旧暦:五月廿八日 友引 辛未 晴れ 夕方、丸善に行った帰り、室町の裏通りを歩いているとあるお店の前で足が止りました。玄関にガラスの入っていない一間の格子戸、その向こうに見える土間には色鮮やかな紫陽花の鉢が二つ、なんて清潔で美しい店構えなんでしょうと思って上を見ると白い塗り壁に、小さく〈はやし〉と書かれてあります。それでやっと思い出しました。ここは池波正太郎さんの「散歩のとき何か食べたくなって」の中に登場するてんぷらの〈はやし〉。今まで、何度も前を通っていたのに気がつきませんでした。それにしても看板ひとつ出ているわけではなし、知らない人は誰もここが天ぷらのお店だとは気がつかないはず。きっと素敵な常連さんがいらっしゃるのでしょうね。 |
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| 6月26日(木) 旧暦:五月廿七日 先勝 庚午 雨後上がる すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、当家の茶室を使って、句会をひらくことになりました。芭蕉をはじめとして俳人とも大変縁が深い、ここ日本橋。ただ今、句会用の句を募集していますので、皆さまもぜひご参加くださいませ。季題は、新じゃがとなっております。では恥ずかしながら、わたくしも、一句。 新じゃがに いがぐり頭 夏の影 |
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| 6月25日(水) 旧暦:五月廿六日 赤口 己巳 雨、後上がる 山形に住むキタイの知人から、サクランボが届く。「佐藤錦はやっぱりおいしいわねぇ」などと二人言いながら、夕食後和む。キタイも元気そうでほっとしました。 |
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| 6月24日(火) 旧暦:五月廿五日 大安 戊辰 雨 はじめまして。室町家の料理人を務めておりますキタイと申します。本日はお詫びを申し上げなければいけないことがあります。この倶楽部を立ち上げるにあたって、がんこさんより「美しい味をつくる」の担当をして欲しいと言われ、困ったなと思いながらもどうにかこうにか立ち上げることができたのですが、二回目となったらもういけない。料理はできるのですが文章というヤツが書けない。そうこうしているうちに体の按配が・・・。もう6月も終わろうとしているのに、ページは山菜のまま。このままにしていくわけにもいかず、昨日、がんこさんにお願いして担当を降ろしていただくことにしました。ご挨拶文で偉そうなことを書いておきながらこっぱずかしい次第ですが、あたしはやはり包丁を握っているのが性に合っているようです。7月より「美しい味をつくる」は、この日記にもたびたび登場されている高木泉さんに引き継いでいただくことにしました。高木さんの旬を大切にする考え方は、あたしも大いに共感するところがあり、安心してお任せできます。尚、室町家の料理人は今後もやらせていただきますので、皆さんとはまたどこかでお会いできたらと思っております。たった一回のお付き合いでしたが、ありがとうございました。 |
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| 6月23日(月) 旧暦:五月廿四日 仏滅 丁卯 曇り時々雨 夕方、料理人のキタイが担当している「美しい味をつくる」のことで本人から相談を受ける。詳しいことは、明日、キタイの方から発表します。 |
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| 6月22日(日) 旧暦:五月廿三日 先負 丙寅 曇り 今日は夏至。一年中でいちばん昼が長い一日も、起きたらもうお昼過ぎ。二日続きの深飲酒がたたったようでごろごろ過ごしてしまいました。週末の新聞をまとめて読んでいると、能楽囃方の北村治氏が人間国宝になられたとの記事が紹介されていました。北村さんの打つ鼓は気品の中になんとも言えない柔らかさと優雅さがあって、わたくしは大好きです。夕方からようようしゃきっとし、久し振りにイッテツを連れて隅田川沿いを散歩。 |
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| 6月21日(土) 旧暦:五月廿二日 友引 乙丑 晴れ夜半過ぎに雨 午後三時から、広尾でふるい知り合いの結婚パーティがあり、鎌倉からとんぼ返り。パリに行く前の友人たちもたくさん招かれていて、久し振りの会話が弾みました。というわけで、本日もタクシー帰。 |
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| 6月20日(金) 旧暦:五月廿一日 先勝 甲子 晴れ 夕方、横須賀線で逗子へ。作家の東理夫さんと再会することができました。待ち合わせ場所に現れた東さんは、ポロシャツにコットンパンツ、肩に黒の薄いセーターを巻き、足元はローファー、手元には洋書という出で立ち。とても六十一歳には見えません。気持ちの良い夕暮れの中を歩いて、まずは魚友というお寿司屋さんへ。つげ義春風の店内のカウンター、ビールを飲んですっかりできあがっているご亭主が握るお鮨を軽くつまんだあと、鎌倉に戻り、約束していたBarBANKへ。由比ガ浜通りにあるこのバーは元横浜銀行の支店を改良したというだけあって、洋館の趣を残した店内が名前に負けずになかなか洒落ていました。日経新聞でカクテルに関するエッセイを書かれている東さんが「本物」というドライマティーニを飲みながらあれこれと話していたら(うれしいことにこのホームページのことも気にかけてくださっていたようです)、あっという間に一時前。東さんをタクシーで自宅までお送りしてから、浄明寺の叔母の家へ。起きて待っていてくれた叔母と三十分ばかり話をして眠る。なぜだかわかりませんが、〆鯖が泳いでいる夢を見ました。 |
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| 6月19日(木) 旧暦:五月廿日 赤口 癸亥 薄晴れ 梅雨晴れの一日。十時過ぎにキタイと家を出て、ゆっくり散歩しながら京橋の明治屋へ。買い物を終えると、ちょうどお昼どき。キタイを誘って近くの竹葉亭に足を運びました。じつは竹葉亭の専務でいらっしゃる別府允さんには、以前倶楽部の立ち上げ準備をしているときにお会いし、お話を伺ったことがあります。お店の歴史や料理のこと、器の話などずいぶんとお聞きしたのですが、肝心の料理の方は食べることができずじまい。失礼だと思いつつも、それからずうっと機会を逸してしまっていたのです。ゆったりとした席に座り、鰻にしようか、鯛茶漬けにしようかと悩んでしまいましたが、朝が遅かったこともあり、鯛茶に。竹葉さんの鯛茶についてはこれまでもいろんな方々から噂に聞いていましたが、なるほどおいしいものですね。引き締まった鯛の切り身の上に味噌をベースにしたタレがとろりとかかり、胡麻の香りがふわり・・・。このタレが、まあなんとも言えない味なのです。キタイは感心しきりで「この味は家庭では出せないでしょうね」などと呟きながら、そこは料理人の性なのか残ったタレに指の先をつけて口に運んでは首を傾げていました。ところでこの辺り、どのような会社が多いのかわかりませんが、料理を肴にビールで一杯というお客さまが多いのにびっくり。つい飲みたくなる気持ちもわかりますけれど。 |
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| 6月18日(水) 旧暦:五月十九日 大安 壬戌 曇り雨模様 先週の土曜日、梅酒のついでに梅シロップも仕込んでおいたのですが、今日見るとすっかりできあがっていました。梅シロップのつくり方はとっても簡単です。梅と氷砂糖を一緒にしてガラス瓶の中に入れるだけ。そうすると梅の果汁が溶け出すのです。果汁を吐き出した梅はシワシワになります。水は一滴も使っていないのに、いまはたっぷりとしたシロップ水の中に浮かんでいる梅。自然の力って不思議です。それに、いい香り・・・ |
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| 6月17日(火) 旧暦:五月十八日 仏滅 辛酉 曇り、雨模様 少し前のことになりますが、ソニーを退任された大賀さんが退職金の全額を軽井沢町に寄付するというニュースが話題になりました。イタリアのメディチ家を例にとるまでもなく文化や芸術というものは、パトロンがいなくては存続、発展させることができない面をもっています。日本にも昔は大倉喜八郎さんや大原孫三郎さんなどパトロンが大勢いらっしゃいました。最近は税制の関係などもありそう単純にはいかないのでしょうが、今回のように、お金持ちのお金に執着しないお金の使い方をみるとなんとも気分がよいですね。 |
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| 6月16日(月) 旧暦:五月十七日 先負 庚申 曇り後雨 本日、六月十六日は和菓子の日だそうです。以前、虎屋さんがやっていらっしゃる虎屋文庫の研究員のお話を聞きに行ったことがあるのですが、現在の和菓子のデザインが確立されたのは砂糖の流通量が増えた江戸期の元禄の頃だそうです。当時は尾形光琳の絵がデザインの規範とされていたそうですが、最近では和菓子のデザインも具象的な傾向にあるとのこと。でも、わたくしはやはり梅や桜や菊がデザインされた伝統的なものが好きです。 |
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| 6月15日(日) 旧暦:五月十六日 友引 己未 曇り時々雨 夕方、何気なくテレビをつけると、銀座で壬生という日本料理店を主宰されている石田廣義氏がスペインのエルブリに招かれて一夜限りの晩餐会を披いた由の番組を放送していました。当世食通たちにつとに知られる壬生の噂は、以前に料理研究家の高木泉さんからお聞きしており、エルブリのことも話題になりました。石田氏はこの晩餐会のためにご自分のお弟子さんはもちろんのこと、器や調度品などもすべて日本から運んだのだそうです。番組を見ながら「壬生の料理の凄さは、なんといっても昆布と鰹節でとるお出汁にある」と、高木先生がおっしゃっていたのを思い出しました。今日は父の日。プレゼントをあげる人は、空の上。 |
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| 6月14日(土) 旧暦:五月十五日 先勝 戊午 曇り時々雨 料理人のキタイと庭の梅から実をもいで梅酒づくりをしました。そういえば梅雨(つゆ)という言葉に梅が使われていますが、この季節に梅が実ることとどこか関係があるのでしょうか。 |
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6月13日(金) 旧暦:五月十四日 赤口 丁巳 曇り
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| 6月12日(木) 旧暦:五月十三日 大安 丙辰 一日中降ったり止んだり このホームページの企画や運営を手伝ってくださっているスタッフの皆さんと、定例ミーティング。まだ立ち上げのできていないものについて話しました。どうしたら美しい味を体験していただけるかなどこれまでいろんな意見が出てきましたが、ようやくまとまりそうです。ミーティングの後、皆で神田の藪そばへ。全国に数多ある藪と名のつくお蕎麦屋さんの本家本元であるこのお店は、おいしいお蕎麦はもちろん、店内の造りまで味わえるのがなんともうれしい。日光の金谷ホテルや箱根の富士屋ホテルの佇まいにどこか似ていると思うのは、わたくしだけでしょうか。それにしてもこの辺り、暮れ駆けていく旧連雀町の風景は素晴らしい。あんこう鍋の「いせ源」、鳥の「ぼたん」、お汁粉の「竹むら」、うなぎの「中川」、すこし離れていますが蕎麦の「まつや」、どこも店構えからして只ならぬ気配があり、江戸の町の一角に紛れ込んだようです。池波正太郎さんが足繁く通われた理由がよくわかります。 |
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| 6月11日(水) 旧暦:五月十二日 仏滅 乙卯 曇りのち雨 ホームページのことで相談したいことがあり、料理研究家の高木泉さんのお宅へ伺ったところ、料理写真家の尾田学さんとお会いすることができました。ちょうど撮影中だった尾田さんと高木先生とのやりとりを聞いていて、料理写真家は料理そのものにも精通されていなくてはならないことを知りました。撮影が終了後、みんなで食卓を囲んでハーブ寿しをご馳走に。玉葱を刻んだ酢飯の中に、手でちぎったいろんなハーブと鮪のづけ(牛肉や鰹でも)を入れて混ぜ、お皿に取分けたあとに〈醤油1、胡麻油1、ラー油1(このラー油がポイントだそうです)〉で造ったドレッシングを振って食べる。ご飯に入れた葉っぱがすごい量だったので驚いていたのですが、香りが強烈過ぎることなくとてもおいしかったです。本日、旧暦で入梅。庭の紫陽花に絹糸のような雨が美しく降りかかっていました。 |
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| 6月10日(火) 旧暦:五月十一日 先負 甲寅 曇り夜に雨 貴田庄さんという方が書かれた『小津安二郎東京グルメ案内』という本を面白く読みました。本を手に取ったときはいまどきグルメねぇと思いましたが、これは小津監督が書き残された『グルメ手帖』をもとにしていることからきているのでしょうね。深川生まれの小津監督、手帖に残されているおいしいもの処も日本橋、浅草界隈といった東京の旧い地区が多く、わたくしが散歩の途中で通るお店も登場しています。一度入ってみたいと思っているお店もたくさん。本を読んでいたら小津さんの映画に会いたくなり、大好きな『麦秋』を見る。なんてきれいな日本語。 |
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| 6月9日(月) 旧暦:五月十日 友引 癸丑 曇り 友人のジュンコちゃんより、女児誕生の便りがありました。四十歳を直前にしての出産は大変だったと思いますが、母娘ともとても元気ですということでなにより、なにより。 |
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| 6月8日(日) 旧暦:五月九日 先勝 壬子 晴れ 沖縄で梅雨入りしたというニュースを聞き、家の中に風を入れる。終日家で過ごし、夕方より散歩。丸善に立ち寄り、小津安二郎さんが愛した食べもの屋について書かれた本を買いました。 |
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| 6月7日(土) 旧暦:五月八日 赤口 辛亥 晴れ お昼時、銀座を歩いていると急に辛い味が恋しくなり、以前知り合いから聞いていた数寄屋橋阪急地下の支那そばや「はしご」に入る。辛さの中にまろやかな香りあって、気に入りました。 |
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| 6月6日(金) 旧暦:五月七日 大安 庚戌 晴れ とても良いお天気。久し振りに遠出の散歩がしたくなり、根津の方まで足を延ばしました。神社にお参りをし、夕食も外で済まそうとキタイに電話。勘にまかせて入ったのが、路地裏にほんのりと赤提灯を灯すお店でした。古い民家を改造した小さなお店で、上がりがまちのところに手が加えられてカウンターになっています。店主のお話によるとこの家を見つけたのは六年前。その前は八年の間空家だったそうですが、家が傷まないように両隣の方々が毎日玄関先に水を撒き、庭の手入れをしてくださっていたのだそうです。そんな話を不動産屋から聞いて、店主はここに店を構えることに決めたのだとのこと。桜蛸のお刺身と鳥のささみの燻製、ともにおいしく楽しい夜になりました。帰り道、忍池の水、黒々と。 |
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| 6月5日(木) 旧暦:五月六日 仏滅 己酉 晴れ 少し前のことになりますが、日経新聞の朝刊最終面『私の履歴書』に、作詞家の阿久悠さんが半生を書かれていました。その最終回、次のような言葉で締めくくられていたのがとても印象に残っています。「日本と日本人はもう少し美しい筈だとさかんに思う。こんなものですよと諦めずに、美しい日本と日本人を探す」阿久さんがおっしゃるように、こんなものですよと精神のたがを外したとたんに、人も都市も国もどんどん堕落してゆきます。でも、わたくしは最近、いっそこのまま底まで落ちてゆかないとだめなのではないかしらと思うことがあります。(出生率がまた戦後最低を更新、というニュースを聞きながら) |
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| 6月4日(水) 旧暦:五月五日 先負 戊申 曇りのち雨 時々、お昼ご飯を食べに立ち寄る近所の食べもの屋さんを紹介したいと思います。働いているのは七十歳くらいのご夫妻とお手伝いの娘さん、テーブルが四つしかない小さなお店です。メニューは、精進揚げ定食とつくね煮定食の二品のみ。お値段はいずれも六百円。にもかかわらずお新香が自家製なので感心していたのですが、今日、暖簾ごしにちらりと料理場に目をやると、なんとお釜でご飯を炊いているのが見えました。どうりでご飯がはらりほくほくとしているはず。お米は食感から察するところコシヒカリやササニシキといった高級米ではないはずなので、お客様になんとかおいしく召し上がっていただこうと工夫しているのではないでしょうか。看板ばかり立派などこぞの有名料理店に見せてあげたい思いがしました。夕方より雨。夜、『菊亭八百善の人びと』読了。 |
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| 6月3日(火) 旧暦:五月四日 友引 丁未 晴れ インターネットを見ていたら、東北地方の郷土料理店が東京に相次いで進出しているというニュースが出ていました。たしかに、北の味はおいしいですものね。わたくしのお薦めは、仙台駅から歩いて十分ほどのところにある「みのむし」というお店です。海の幸がどれもこれもじつに鮮烈なのです。そのお店で知り合った漁師さんから、石巻にとびっきりのお寿司屋があると聞いて飛んで行き、至福の時を過ごしたことがありますが、こちらのお店の名は内緒。 |
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| 6月2日(月) 旧暦:五月三日 先勝 丙午 晴れ 幼なじみのタイちゃんが働く山本海苔の本店がある日本橋室一通りは、かつての魚河岸。今でもその名残を残すいくつかの老舗が商いをされています。神茂(かんも)さんもそのひとつ。今日の散歩の帰りに立ち寄って、名物のはんぺんを買いました。夕餉の食卓にこのはんぺんに竹串をさして炙ったところをざくっと切って山葵醤油を添えて出したところ、キタイが「おいしい、おいしい」と言って喜んでくれました。キタイも熱が引き、少し食欲が出てきたようで安心しました。 |
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| 6月1日(日) 旧暦:五月二日 赤口 乙巳 曇り ここのところ料理人キタイの体調があまり良くありません。今日はとうとう熱を出して臥せってしまいました。青菜を刻んだお粥をつくってみたのですが、ほんの一口ほど箸をつけただけ。心配です。 |