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| 9月30日(木) 旧暦:八月十七日 壬子 晴れ 台風が暑さと湿気を運んでいってくれたのか、心地良い風の吹く秋らしい一日でした。やはり四季のある国の秋はこうでなくてはいけません。 イッテツと隅田川を渡り、本所から向島の辺りまでゆったりと歩く。帰りは、浅草から神田へ出て、古書店街を歩く。『暖簾』(高井潔 写真・文 淡交社)という本を買う。「なんだい、もうあるのか。つまんないの」と、イッテツがわけのわからないことを呟く。どうやらイッテツくん、わたくしのデジカメで暖簾を撮って、発表しようとしていたらしい。「暖簾コレクションで、ノレコレ。いいと思ったんだけどなぁ・・・」「いいじゃないの、やれば」 などと話しながら歩いているうちに、淡路町。とくれば、〈かんだ藪〉か〈まつや〉か。 月が高い夜。 |
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| 9月29日(水) 旧暦:八月十六日 大安 辛亥 雨 台風で西日本は大変なようです。東京も、一日中ぐずつき模様。 鎌倉の叔母より、電話。鎌倉文学館で、星野立子展との知らせ。星野立子さんは、虚子の二女。高木先生にとっては義叔母にあたる人で、『玉藻』を創刊された俳人です。そういえば、文学館の館長には山内静夫さんがなられたのでした。秋の一日、訪ねてみることにしましょう。 |
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| 9月28日(火) 旧暦:八月十五日 仏滅 庚戌 曇り 朝、遅めの起床。荷を解く。撮影してきた写真の整理。午後から、イッテツと散歩。ほんの五日間ほどですが、留守の間に風にも秋の気配が濃くなってきました。 本日、中秋の名月。夜、キタイと庭へ。台風が近づいているそうで心配しましたが、雲が切れ、なんとか眺めることができました。お土産の月餅とほうじ茶。草木を照らす月明かり。 高木先生から、お便り。北海道に行かれていたようです。 「或る高級なホテルが、湖を見下ろす所に建ってからでしょうか。真狩村は素敵なフレンチのレストランが、いつも予約で一杯です。美味しいお水が豊富で、お野菜が、新鮮、香りも良く、外の景色は、羊帝山を囲む緑色が美しく、空気を思いっきり吸ってきました。 有機栽培で、頑張っている生産者達。小高い丘と雪深い自然を上手に使っての、野菜なのでしょう。アップルロードも楽しいドライブでした。」 |
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| 9月27日(月) 旧暦:八月十四日 先負 己酉 曇り 本日、夕方。中国より、帰宅。叔母と二人で、食べて歩いた五日間でした(食べ歩記はまた後日)。それにしても、上海はなんと騒がしい街でしょう。少々、疲れました。お風呂に入り、キタイがこしらえてくれた海苔茶漬を胃におさめ、ようやく落ち着く。やれやれ、わが家はいいなぁ。庭からちりんと虫の声。 |
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本日、彼岸明けなれど、生憎のお天気。雨、時折、激しく、どこへも出かけずに過ごす。夕方、今井老人、見事な栗を持ちて来たり。帰ろうとするを引き止め、夕食にお誘いする。栗ご飯に、とんぶりをのせる。老人、二杯食す。食後、しばらく談笑。 明日、主、帰宅予定。 |
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| 9月25日(土) 旧暦:八月十二日 先勝 丁未 雨がちな曇り (主不在につき、キタイ代筆す) 朝、イッテツと蔵前の方まで歩く。午後より雨。夜、鱈の煮物と茗荷漬け。中秋、近づけど、月見えず。 |
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| 9月24日(金) 旧暦:八月十一日 赤口 丙午 晴れ (主不在につき、キタイ代筆す) 昼、並木の〈藪〉で、ざる。夜も、簡単な惣菜を拵えて軽くすます。ふと鰻屋の旧友が言っていたことを思い出す。「年とるとあれだね、白いお飯(まんま)と味噌汁、それに旨いお新香。そういうのがいちばんのご馳走になるな」その通りだなと思う。 |
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| 9月23日(木) 旧暦:八月十日 大安 乙巳 晴れ (主不在につき、キタイ代筆す) 本日、秋分。彼岸の中日。イッテツと連れ立って、神田明神へ参る。門前の〈天野屋〉でふらりと甘酒。なるほど、旨いものだ。夜、築地の友人と会う。本願寺傍の焼き鳥屋〈辰の字〉で一杯。 |
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| 9月22日(水) 旧暦:八月九日 仏滅 甲辰 晴れ (主不在につき、キタイ代筆す) 昼、少し前、主、自宅を出て、中国へ向けて出発。夕方、無事、到着との知らせ。ほっとして、イッテツと夕暮れ時の街へ散歩に出る。やや蒸す。月、霞む。 |
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| 9月21日(火) 旧暦:八月八日 先負 癸卯 晴れ 残暑。朝方の涼しいうちに散歩。午後、上海行きの準備。夜、早めの就寝。見る夢は、蟹か、鰯か。次の日記の更新は、来週の火曜日になりそうです。 |
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| 9月20日(月) 旧暦:八月七日 友引 壬寅 曇り 本日、彼岸入り。叔母と連れ立って、雑司が谷へ。掃除と墓参りを済ませて、銀座へ出る。 五丁目の〈竹葉亭〉で鯛茶。コリドー街の〈ガルリカフェ〉まで歩き、のんびりおしゃべりしたあと、新橋駅まで叔母を送る。「じゃ、水曜日、成田エクスプレスで」 |
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| 9月19日(日) 旧暦:八月六日 先勝 辛丑 晴れ 叔母と、向島百花園へ。秋の花を楽しむ。〈言問団子〉で休息し、外へ出ると、あたりはもう墨薄。東の空に、月。「ほんとに陽が短くなって・・・」。 夜、秋刀魚のお刺身、茸の蒸し焼き、茗荷の即席漬けに、栗ご飯。叔母、焼酎の酢橘割りでご機嫌の様子。 |
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| 9月18日(土) 旧暦:八月五日 赤口 庚子 晴れ 鎌倉より、節子叔母来る。 夕食の席で、叔母から例の如く突拍子もない話。「あなた、来週、なにか予定でもある?」「とくにはないけど」「そう。だったらどう上海? 一緒に行く予定だった友人がちょいと行けなくなっちまってね。二十二日の午後出立なんだけど」「二十二日っていったら水曜日じゃないの!」「まあ、無理だったらいいんだけど。せっかく〈和平飯店〉がとれたんだけど、残念ねぇ・・・」「わかったわよ」というわけで、中国に行くことになりました。キタイが呆れながら、にやにや。 |
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| 9月17日(金) 旧暦:八月四日 大安 己亥 晴れ 徳島の会員の方より、酢橘(すだち)をいただく。ちょうどお昼時、稲庭うどんの付け汁にたっぷりと絞る。 昨日から読み始めた『ふるさと日本』の中に、「江戸前の郷愁」と題された、東京の味についての文章あり。 東京の味としてまず指を折るのは、そばにすし、それにてんぷらにうなぎだろう。 そばというたべものは、落ち着いて反省すると、一体、どこがうまいのか、と思うのだが、しかしたしかにうまいから仕方がない。 さすがは、池田弥三郎さん、絶品の筆。 海苔についても記述あり。 のりは東京名物の随一だろう。地方へのみやげというと、わたしたちはまずのりであった。そして、それは、まず、日本橋の山本(山本山とちがう)ののりであった。 タイちゃんに教えてあげよう。 |
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| 9月15日(水) 旧暦:八月二日 先負 丁酉 晴れ 風が秋に変わる。気持ちの良い一日。 昨日の新月から一夜過ぎて、今日は二日月(ふつかづき)。今週末まで、上弦の弓張り月が残照と夕闇のわずかな時間だけ現れる夕月夜が続く。宵の一時の、儚き月。栃木の思川で、残忍な事件。儚き命。 |
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| 9月14日(火) 旧暦:八月一日 友引 丙申 晴れ 昨日に続き、蒸し暑き日。午後、山本海苔店にて定例ミーティング。次回の体験道やホームページで紹介する商品などについて話す。帰り、〈タロー書房〉に寄る。 今日は旧暦の八月朔日。略して八朔(はっさく)。天正十二年のこの日に、徳川家康が江戸に入府したことから、江戸時代にはいろいろな祝儀が行なわれたとか。 |
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| 9月13日(月) 旧暦:七月廿九日 大安 乙未 晴れ 日中、蒸し暑さが戻る。遅ればせながら、高木先生の今月料理「新豆腐」を掲載。 |
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| 9月12日(日) 旧暦:七月廿八日 仏滅 甲午 曇り、時々晴れ 湯島の方へ散歩に出掛ける。途中、道端に彼岸花。もうそんな季節ですか。 |
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| 9月11日(土) 旧暦:七月廿七日 先負 癸巳 晴れ キタイと庭の木々の手入れをしていたら、鎌倉の節子叔母から電話。「八幡さまにやってくる鷺(さぎ)が人懐こくなって・・・」「山藤の花の良い香りが窓から入って・・・秋ねぇ」などという他愛のない世間話を一時間ほどする。 夜、少し冷える。 |
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| 9月10日(金) 旧暦:七月廿六日 友引 壬辰 晴れ後、曇り、夕方雨 寺井さんとおっしゃる会員の方から、お祖母さんとの想い出の味を書いたお便りをいただく。 「甘いものも大好きで、おばあちゃんの煮た、小豆・煮豆も好きでした。とくに、(ぶどう豆)が・・・。」 ぶどう豆って、どんな豆のことだろうと文章を読んでいくと、お豆を葡萄の果実のように透き通るまで煮た料理のことだとわかりました。透き通ったお豆!なんと美しい。それに名前のなんと洒落ていることでしょう。素敵なお話をどうもありがとうございます。さっそく「美しい味を伝える」アーカイブに収蔵させていただきます。 |
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| 9月9日(木) 旧暦:七月廿五日 先勝 辛卯 曇り、夕方雨 本日、重陽(ちょうよう)の節句。玄関に菊を飾り、キタイと菊花寿司をこしらえる。 |
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| 9月8日(水) 旧暦:七月廿四日 赤口 庚寅 晴れ 高木先生よりメール。オーストラリアに旅行されていたようです。 「世界遺産の熱帯雨林と、最大の珊瑚を見てまいりました。海と空、樹木、動物達がいかに自然に任せて生きているのか。これら全てに於いて最大の敵は、人間である事を恥じ、深謝してきました。自然の中に、大変気持ち良く身を任せ、つくづく考えさせられました。そして、帰宅し見た夢が、変な人間に追いかけられるコアラになった私でした」 コアラのぬいぐるみを着た先生が走っている姿を想像して笑いました。 |
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| 9月7日(火) 旧暦:大安 己丑 朝のうち雨、のち上がる 本日、白露。隅田川べりを散歩の途中、薄からほっそりとした穂が出ているのを見つける。秋はそこまで来ています。夜、秋刀魚。 |
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| 9月6日(月) 旧暦:七月廿二日 仏滅 戊子 晴れ 日中、やや蒸す。散歩の帰り、日本橋〈丸善〉。村上春樹氏の新作『アフターダーク』を購入。カフカ的小説、宙に放り出されたような結末。 |
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| 9月4日(土) 旧暦:七月廿日 友引 丙戌 曇り、のち雨 夕方の散歩以外は、家でのんびりと過す。 夕食後、キタイとお茶を飲みながら、ふと食卓の上に置いてあった〈さるや〉の楊枝に目がいく。「向笠さんのお話にも出てきましたが、ほんとに洒落た楊枝ですねぇ。しかも、この金千両と墨書された桐箱なんですが、蓋と胴の間に隙間がまったくありませんね。さりげない技ですが、どうやったらできるんでしょうね」キタイは改めて関心しきりでした。 |
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さて、柳亭燕路師匠の『妾馬』という一席で幕を開けた、今回の体験道。ほんの目の前で落語を拝見できる贅沢。落語がそもそも宴会芸であったということがよくわかりました。会席料理の幕間で会場に顔を見せてくださった、ご主人の奥村多市郎さんのお話には、「ほう」「へー」といった声しきり。参加者の皆さんからの「お豆腐の起源は?」「あんかけ豆腐はどうして二つなんですか?」といった質問に、ご主人がご丁寧に答えてくださったこともあり、予定の終了時間を三十分以上のオーバー。お豆腐料理もたっぷりで、参加者の皆さんにもご満足をいただけたようです。 日本でおそらく〈笹之雪〉さんだけという、にがりだけでうつ絹豆腐をつくり続けていくのは想像以上に大変なことらしく「うちも、もう豆腐屋、廃めようかと言ったりするんですよ。でも、〈笹之雪〉は宮様(輪王寺宮)が豆腐屋につけてくだすった屋号なので豆腐以外のことはやるわけにはいかないですしねぇ」、冗談めいておっしゃる奥村さんですが、三百年の江戸の伝統をこれからもどうか残していってください。 |
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| 9月2日(木) 旧暦:七月十八日 赤口 甲申 晴れ 向笠千恵子さんとの対談を掲載しました。 夕方、イッテツと中央通りを銀座まで散歩。サライの最新号、京都特集をつい購入してしまう。サライにしてはちょいと物足りない内容でした。 明日は、いよいよ〈笹乃雪〉。楽しみなことです。 |
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| 9月1日(水) 旧暦:七月十七日 大安 癸未 晴れ お昼、浅草の路地で、ふらりと入ったお鮨屋さんの花瓶に、萩の花。隅田川を渡る風にも、秋の気配が混じるようになってきました。 |