GANKOの日記
2005年 1月    
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1月31日(月) 旧暦:十二月廿二日 先負 乙卯 曇り
朝、タイちゃんより、電話。
「海苔の日を記念して、プレゼントキャンペーンをすることになったので、がんこちゃんのホームページでも紹介してもらえないかな」というわけで、アドレスをクリックしてみたら、あらあら。
キャンペーンのアドレスは、↓こちらです。
http://www.yamamoto-noriten.co.jp/aw_campaign/norinohi.html

1月30日(日) 旧暦:十二月廿一日 友引 甲寅 晴れ
エミちゃんより、冬の巴里便り。相変わらず元気そうです。


SOLDESが始まってから、忙しく出かけていてさいと町にも少しご無沙汰してしまいましたが、なんだか正月早々、とっても盛りだくさん!!ですね。
私もなにかまた面白いことがあったら参加します。がんばらなくっちゃ、みんなに忘れられてしまいそうね。

1月はとても寒くてヨーロッパらしい空が続きました。雪も何度かちらついて久しぶりの冬を実感してます。

実は家のすぐ近くに、お豆腐や白菜が買える中華食材のお店ができたんですよ、おかげで お鍋の出番がグーンと増えました。
ご存知のように、パリはほとんどの家で料理が電気調理器なので、日本から持ってきた鍋は使えないのですが、チーズフォンデュのセットがちょうど良くて、アルコールランプですが、一応テーブルの上でお鍋をつつくことができます。やっぱりこうでなくっちゃね。
チーズフォンデュも我が家では大人気メニューなのですが、ダイエットを始めた私は、今年は鍋でヘルシーに行きます。とにかく新鮮なお豆腐が近くで買えるなんて、ほんとこんな嬉しいことはありません!!
パリで一番おいしいのは、やはり例の〈鈴豆腐〉ですが、お値段も3倍はしますので、毎回は買えませんね。残念ながら。

2月の声を聞くと、まずはカーニバル。といえば、クレープ。クレープを焼くフライパンの柄をコインを握りながら持ち、上手にひっくり返すことができると願い事がかなうんですって。後半にはパリもだんだん日が長くなり、だいぶ明るくなりますね。もう春が待ち遠しいです。

ところで、4月30日と5月1日にモナコで公国主宰のフラワーアレンジメントのコンクールがあるのですが、そこで“きもののミニショー”をすることが決まりました。
モナコのモデルさんたちに着せる振袖を選んだり、気分が華やぎます。娘もだいぶ大きくなり、肩上げをすれば大人用の中振袖を着せることができそうだし、自分の着ていく着物を選んだり、やはり楽しいですね。モナコははじめてなので すごく楽しみです。

1月29日(土) 旧暦:十二月廿日 先勝 癸丑 曇り
叔母と松涛の観世能楽堂にて、『檀(まゆみ)の会』観能。演目は、『清経』『砧』『小鍛冶』の三番。『清経』は観世流職分、武田志房氏による“恋之音取(こいのねとり)”の小書(特殊演出)付き。藤田六郎兵衛氏の笛が、悲劇の武将平清経のつやけさを見事に表現し、しみじみと胸に響きました。叔母も「志房先生のお父様でいらっしゃる太加志先生が、晩年に宝生能楽堂で演じられた寝取を思い出したわ」と感激の面持ち。
終演後、銀座に出て、〈ガルリカフェ〉でしばし喫茶。夕食時となったので、七丁目の路地にある某鮨屋で軽くつまみ、新橋駅まで送る。

1月28日(金) 旧暦:十二月十九日 赤口 壬子 晴れ
夕方、明日の観能に備えて、鎌倉より節子叔母来る。キタイが「節子さんもお見えになられたことですし、ちょうどよいですね」というので、イッシーさんより教えていただいた“豚のちりちり”を試してみることにしました。


【豚のちりちり】イッシーさんのレシピによる

用意するもの:
・豚バラ肉しゃぶしゃぶ用スライス(ひとり分150〜200gは欲しいですが、まぁ体に合わせて、それぞれの分量で・・・)。
・ねぎを小口に刻んだものたっぷり(ひとり分で2本は必要。刻みねぎたっぷりが、この鍋料理の特色。刻んだら水にさらしておく)。
・昆布と鰹節で香りよくだしを取り、しょうゆ、酒で調味したそば用の汁。
・乾そば(ゆで時間3分ぐらいの細いもの。私は、永坂更科の“御前そば”でやっています。ちなみに稲庭うどんでもやりましたが、これもイケます)

やり方:
鍋に水と酒適量を入れ、火にかけ、沸いてきたら豚バラ肉をしゃぶしゃぶし、温かくしたそば汁にねぎをたっぷり入れた汁碗でいただきます。
〆に乾そばをそのまま(ゆでたものではいけません)入れ、3分ほどして火が通ったら、同様にしていただきます(乾そばを入れるとき、汁が少なくなっていたら、注ぎ足すこと)。

我が家では、近所のお肉屋さんで豚ロースのかたまりをしゃぶしゃぶ用にスライスしてもらい、お酒は八海山を用意しました。ふつふつとしてきた鍋の中に、豚肉を落とすと、すぐさまちりちりに。なるほど名前の由来はこれかと思いながら、箸で三、四片ばかりをすくい、葱をたっぷりと入れたつけ汁に浸して、口中へ。ほのかに酒の香かおる豚肉、つけ汁、葱が渾然一体となって、そのおいしいこと、おいしいこと。大皿に広げた豚肉が、お酒共々あっという間に消えていきました。

仕上げの稲庭うどん(おそばと両方を用意していたのですが、今回は気分でうどんに しました)、麺に豚油がほどよく絡まって、これまたつるつるとおいしいこと。稲庭うどんは冷たい方がいけると思っていましたが、これですと温もよいですね。すとんとお腹におさまってしまいました。
最後は食卓を囲んだ全員で「ふううう」の一言。寒い夜の、簡単で、身も心も温まる一品。
イッシーさんには、またしても一本とられました。ありがとうございます。

1月27日(木) 旧暦:十二月十八日 大安 辛亥 晴れ
昨年来の野菜高騰を受け、不揃いの野菜が大人気、との新聞記事を読む。よいことですね。農家を大切にしていらっしゃる京都の中東さんのことを想い出しました。
午後、切通し坂から本郷のあたりを歩く。古書店で小菅桂子著『甘辛の職人』(鎌倉書房)を買う。

1月26日(水) 旧暦:十二月十七日 仏滅 庚戌 雨のち上がる
昨日夜、高木先生より、こんなお便りがありました。


明日は、麩嘉です。
毎月京都へ、行く時は、前日に小松(華功)先生にお電話を差し上げているのですが、久しぶりに小松先生の力ないお声をききました。
今年は、1月1日より大雪で、電気は止まり、木々は、湿雪で、バタバタ倒れ、奥様も伏せることが多く、ご自身も現在風邪をひいていらっしゃると言う事でした。
こんなに弱っている先生は、初めてです。「今も大雪です。昨年の大仕事の大皿の上に、雪が沢山あり何処だか分からん様になってしもうたわ。」
私は是非拝見させて頂きたいので、4月又は5月に美山荘にお世話になろうとおもいます。と申し上げたら、大変喜んで下さいました。
がんこさん、又行きましょう。

と、嬉しいお誘い。小松先生と奥様のお身体のことは心配ですが、春の花背の〈美山荘〉、中東久雄さんのふるさとでもありますし、行ってみたいですねぇ。
1月25日(火) 旧暦:十二月十六日 先負 己酉 晴れ、のち曇り
本日、初天神。寒さ、少し弛む。
朝、有田の昭峯窯の岩永隆昭さんより、器が届く。
緑彩淵彫皿、捻紋(ねじもん)輪花淵鉢、フリージア輪花淵手鉢、染付菊割り皿、白磁三品長皿、青彩花弁紋前方上りカレー皿。

我々の窯は、従来の有田焼の技法・地肌の白さを大事に守りつつ、今の生活スタイルに合うような形・色合いを研究開発し、少し洋の雰囲気を出していこうと考え試行錯誤しています。

と、いただいたメールに書かれている通りの器。明るい色彩が新鮮です。高木先生の料理と組み合わせてみたくなりました。
来月五日から東京ドームで開催される『ハウスウェア・ショー』では、“究極のラーメン鉢”と新しく開発した“上品なレンゲ”が発表されるとのこと。わたくしもぜひ足を運んでみたいと思います。
午後、亀戸天神までお参り。境内は、梅の気配。この社は昨日今日と、「悪いことをウソに替え、良いことにトリかえる」と伝えられてきた鷽替(うそかえ)の神事。木彫りの小さな鷽鳥を買い求める。参拝後、〈船橋屋〉にて名物のくず餅。歯ごたえのある餅を、たっぷりのきな粉と黒糖蜜にくぐらせて食べる。

1月24日(月) 旧暦:十二月十五日 友引 戊申 晴れ
イッシーさんよりお便り。大寒の夜に食されたという“豚のちりちり”なる料理について送ってくださいました。イッシーさんによりますと、その料理との出会いは、昨冬、旅先の近江八幡でのこと・・・。

ここは近江牛で知られ、牛のすき焼き、しゃぶしゃぶを看板にした店がたくさんあります。ところがそんな中で、「豚のちりちり」という看板を、初めて見つけました。牛肉が売りの町で、いったいこれは?と思い、さっそく店に入り、いただいてみました。ところが、これがまことに良かったのですね。
「ちりちり」とは、しゃぶしゃぶのことでした。
豚バラ肉のしゃぶしゃぶは、好物でよくいただくのですが、ここのやり方はそれまでにない新鮮なものでした。以来、私の手の内にして楽しんでおります。ちなみに豚バラ肉のしゃぶしゃぶは皆さん、ポン酢やごまだれ、大根おろしでいただきますね。
これまでの私のお気に入りは、作家・小島政次郎のやり方。
鍋にお酒だけをたっぷり入れ(小島先生は一升がほどよい分量とおっしゃっていました)、火にかけ、沸騰させす゜に豚バラ肉をしゃぶしゃぶし、たっぷりの大根おろしとしょうゆでいただきます。熱くなったお酒の香りだけで、下戸は酔ってしまうほど。これが私の定番でした。しまいに、ゆでたうどんを入れて〆とするやり方です。
で、近江八幡の「豚のちりちり」。
帰京後、再現し、友人たちにふるまったところ、感動の嵐。(笑)

というわけでイッシーさんは、この“豚のちりちり”の材料とつくり方を書いてくださっているのですが、「一度お試しいただき、お口に合うようでしたら、皆さまにもご紹介ください」とのことですので、まずは我が家で。
「これは、これは、おいしそうですね。さっそく週末にでも拵えてみましょう。豚肉のいいのを見つけておきますよ」キタイの顔が笑っています。

1月23日(日) 旧暦:十二月十四日 先勝 丁未 雨、時々雪混じり
雪がはらつく寒い一日。散歩にも出ず、本を読んだりなどして過ごす。
夜、熱々の牡蠣鍋。眠る前に、今日が赤穂浪士の討ち入りだったことを思い出す。

 1月22日(土) 旧暦:十二月十三日 赤口 丙午 曇り
十日の日記で紹介させていただいた、ベルギー在住の高木先生の従妹さんよりお便り。ロシア転勤となった顛末が生々しく語られていたのでありました。

2004年も残り1ヶ月となったある日の夕方。
主人から出張先のパリより電話がありました。
「驚かないで聞いてほしいんだけど・・・、また転勤なんだ」
「えっ〜!!今度はどこなの?」
「ロシア・・・。モスクワなんだ」
「・・・・・・・(絶句)・・・・・・・・・」
日本からベルギーのブリュッセルへ転勤して来て早2年6ヶ月です。
生活も学校もすっかり軌道に乗り、楽しい毎日を過ごしておりました。
春には従妹の泉先生と母も訪ねてくれました。妹も、夫の父も訪れてくれました。
フランス語の生活にも慣れバーゲンの楽しみや、
何世紀前の教会の前の石畳の道を運転して、毎日優太の送り迎えをしたり、
マルシェへいったり、レストランの主人とも親しくなりました。
そんな矢先のことでした。
残りのブリュッセルの生活は、弾けるぞ〜。と楽しみに待っておりました。
そして、恐る恐る聞いた赴任期間はなんと4年でした。
1月中旬には出発するということで、いつもの出張とは違う夫婦の緊張の会話の毎日です。

やっと冷静さを取り戻し、優太の学校が終わる3月まで
ベルギーにとどまることを夫に了解してもらいました。
今から考えてみると、ロシア行きを予感させられることが多々ありました。
夏のヴァカンスにベルギーからもツアーが出ている
サンクト・ペテルブルグに行ってみたいと、家族の話題になったり、
月に1回習いに行っているパン教室でよりによってピロシキを教わったことなどでした。
ロシアは何かの縁(えにし)なんだわ〜。
と自分に納得させて、2004年が過ぎていきました。

なんだかちょいとお気の毒の内容ですが、「食べるのが大好きな家族」(高木先生)とのことですので、わたくしとしては大歓迎。ロシアよりの奮戦記をお待ちしています。
1月21日(金) 旧暦:十二月十二日 大安 乙巳 晴れ
先日、お便りをくださった有田の会員Yさんからメール。昭峯窯という窯元の作家、岩永隆昭さんが当ホームページに興味を持ってくださり、会員に!のみならず、自作の器まで送ってくださるとのこと。うれしい出会いが、またひとつ。どんな作品が届くのか、楽しみです。来月二日、高木先生のお宅で料理の打ち合わせがありますので、持っていくことにしましょう。
午後、神田の古書店街を歩く。浅野陽『酒呑みのまよい箸』(文化出版局)を購入。帰り、〈まつや〉で今井老人が一杯やっているのを発見。

1月20日(木) 旧暦:十二月十一日 仏滅 甲辰 晴れ
本日、大寒。寒い、寒い。
高木先生の料理コーナーが、寒卵に変わりました。「寒卵は、寒中に産み落とされた鶏卵。滋養に溢れています。割落としたら、黄身が盛り上がっているのがわかるでしょう」というわけで、今夜の我が家は茶碗蒸し。「がんこさんのお好きな百合根を入れときましたから」とキタイ。蓋をとれば柚子の香立ち上る。

1月19日(水) 旧暦:十二月十日 先負 癸卯 曇り
イッシーさんよりメール。先日の叔母の京都行きについてのお礼のメールを差し上げたのですが、早速返信をいただきました。いつもながらの心温まる、おいしいお出汁のような文章ですよ。「〈喜幸〉のご主人は、〈近喜〉と関係があるそうですが」という質問にも答えていただいています。

室町元子さま

鎌倉の叔母さま、「喜幸」に行っていただいたそうで、うれしく思います。
「喜幸」の亭主、浅井さんの実家は豆腐屋です。
創業は天保5年。以来170年続く老舗です。まさに隣の豆腐屋、「近喜」がそうです。
現在は、姪夫婦が継いでいます。

実は、浅井さんの豆腐屋は、父上の代までは、四条河原町の交叉点、今の「みずほ銀行」のあたりにあったそうです。ところがこの父上というのが、生来の道楽者だったそうで、借金を重ねるうちに、店の場所を変え、現在の阪急百貨店の裏、さらに現在の場所にと、移ってきたそうです。
「うちの父親は、借金するたびに奥へ、奥へと店を引越しますねん」と、ケロリと語ります。亡くなったおばあちゃんも、「苦労させられた」などとはひと言も喋らず、淡々と昨日のことのように話していたことを思い出します。が、言葉の裏には、想像を絶する苦悩があったのではないか、と思い至ったものでした。

もうひとつの話があります。
現在、豆腐を作っている姪の婿さんの林浩二さん。脱サラで豆腐屋を継ぎました。6代目になります。最初の頃は要領を得ず、だいぶ苦労していました。十数年前、初めてヨ豆豆腐に挑戦していた時出くわしましたら、攪拌の仕方に失敗し、ひと鍋全部ダメにしてしまって、しょげかえっていたこともありました。「朝早いし、水はちぎれるように冷たいし、ほんま3Kの代表みたいな仕事ですわ」と言いながらも、5時起きで精を出していました。その努力が、今日では、全国の有名デパートからひっぱりだこで、京都展に出店するほどになりました。

実は、小生は広河原の小松華功さんを訪ねるたびに、ここの豆腐とお揚げを持っていっていました。ところが、何年かして、ひょんなことから小松さんのサラリーマン時代の同僚だったことがわかり、一度お連れして、再会を果たしていただいたことがあります。その奇縁に、人の出会いの面白さを、しみじみとかみしめたものでした。

ここの豆腐はイイです。小生は豆腐、お揚げ、ひろうす、あれば芥子豆腐を買って帰ります。ついでに無料のおからも。宅配取り寄せもあるのですが、ここで買って帰る、というのが、私の心をぜいたくにさせてくれるのです。
良質の大豆、もちろん国産を使っていますので、味よし、です。最近は、林さんは各地の大豆生産者の畑を駆けずり回っているようです。「菊の井」、「祇園丸山」ほか何軒かの料亭では、ここの豆乳を運んで、各店の自製豆腐を作って供しています。

また、お揚げも、とにかくうまいのです。
京揚げは長方形で、関東のものとは異なった、独特の形をしています。同じ京揚げでも「とようけ山本屋」などのものは、長方形に切ったものを揚げています。が、ここでは、まず、仕上がりの三分の一程度の長さのものを90℃ぐらいの低温の油で揚げ、ほどなくして、隣に用意してある190℃ぐらいの高温の鍋に移します。すると、ピュッーと長方形に伸びていきます。(その様子は、まるであの中国のえびせんべいを油に放ったかのような動きです)これが、京揚げ独特の揚げ方。つまり、本来の京揚げは、ふたつの鍋で揚げている、というわけです。

この京揚げは、天ぷらと同じで、揚げ手によって出来がまったく異なります。この姪が揚げると、なんともおいしい。使用人が揚げたものでは、そうはいきません。近所のおかみさん連中は、彼女が揚げているのを見かけると、声を掛け合って買いに来るという、ウソのようなホントの話です。

長話のついでにもうひとつ。
あの魯山人は、ふる里・京都に来ると宿屋の朝食には、必ず京揚げの焼いたものを出させていました。炭火の網で焼いたお揚げの表面には、虎の皮のように焼き目がつきます。食べやすい大きさに切って皿に盛ります。しょうゆでいただきます。たっぷりの大根おろしを添えて「雪虎」、九条ねぎをたっぷり刻んで添えて「竹虎」。いかにも魯山人らしいやり方です。でも、これは京揚げだからこそおいしくいただけるので、関東の油の濃いお揚げではそうはいきません。

ちなみに、「喜幸」では「竹虎」で出ますが、浅井おやじのメニュー名は「お揚げの焼いたのひとぉ〜つ」。この店のしょうゆは、なぜかまろやか。だしを引いた後の昆布を、片口に注いだ生しょうゆに入れておくだけのこと。一度お試しを・・・。

では、また。

大寒の夜には、「豚のちりちり」という、昨冬、近江八幡に旅した時覚えた鍋をすることになりました。作り方は後日お話しましょう。寒夜にあたたまります。

昨年、蕗窯におじゃまをして、みぞれ鍋をご馳走になった折、「この豆腐は、近喜のものなんですよ」と、華功さんが嬉しそうに話されていた背景がわかりました。イッシーさんが縁結びさんだったのですね。
1月18日(火) 旧暦:十二月九日 友引 壬寅 晴れ
午前中、先週参加した日本橋めぐりの会のプロデュースをされている川崎晴喜さんに、野村證券本社ビルでお会いする。なぜその場所かといいますと、川崎さんは普段は野村證券にお勤めでいらっしゃるからです。
四国出身の川崎さんは、『東海道五十三次』『名所江戸百景』で知られる歌川広重の研究から日本橋に興味を持つようになり、現在では日本橋活性化フォーラム(日本橋を愛する住民・商業者・勤労者・来訪者で構成された集まり)のメンバーでもあります。
日本橋めぐりの会や老舗めぐりなどすべての企画から申し込み窓口まで担当されているほか、休日はガイドとして案内役をこなすなど日本橋の魅力伝道師として大忙し。日本橋に関することなら次から次へとアイデアが溢れ出してくるそうです。「ほんとうは、こっちを本業にしたいんだけどね。なかなかそうもいかなくて(笑)」
当倶楽部のこともご存知で、「なにか一緒にやれたらいいですね。雛祭りとか、端午の節句とか、節会をテーマにしたら面白いんじゃないかぁ」と企画のヒントまでいただきました。お忙しい中、ありがとうございました。
午後の定例ミーティングで、早速報告。次回までにアイデアを持ち寄ることにしました。

1月17日(月) 旧暦:十二月八日 先勝 辛丑 晴れ
静かな一日。今日は、阪神淡路大震災からちょうど十年目とのこと。大切なものをなくした人にとって、時間の一部は永遠に止まってしまう。

1月16日(日) 旧暦:十二月七日 赤口 庚子 雨、夜上がる
今日も、ざんざ降りの雨。横浜に映画を観に出かけることにする。十一時頃に叔母の家を出て、大船駅で京浜東北線に乗り換え、山手駅で降りて、麦田町の中国料理店〈奇珍〉まで歩く。叔母が好きだと言う、ラーメンを注文する。シナチクと葱だけがのったシンプルで味わい深いラーメン。「ふう、おいしい。最近のラーメンはぎとぎとが多くて閉口していたんだけど、こういうのはいいわね」「でしょう?」<BR>
映画は、『ターミナル』。サービス精神たっぷりのスピルバーグらしい映画でした。八時過ぎ、帰宅。

1月15日(土) 旧暦:十二月六日 大安 己亥 雨
朝から、冷たい雨。小振りになったのを見て、浄明寺界隈を散歩。あちこちに、もう白梅が咲き始めていますね。夕食に、高木先生に教わったゆず豚と、冬野菜のポトフをこしらえる。食後、お茶を飲みながら、昨日の続きで京都の話をする。「久し振りに京都に行ったけれど、やっぱり京はいいわねぇ」「鎌倉だっていいじゃない?」「それはそうだけど、鎌倉は鎌倉であることに甘えているのよ。四百年の歴史の差だけじゃないわね」

 1月14日(金) 旧暦:十二月五日 仏滅 戊戌 曇り
週末を叔母と過ごすため、鎌倉へ。東京駅への道すがら、〈タロー書房〉に立ち寄り、古今亭志ん生さんの『びんぼう自慢』(ちくま文庫)を買う。これがあんまり面白くて、うっかり乗り過ごすところでした。
裏駅で節子叔母と待ち合わせて、久方ぶりに〈鳥秀〉へ。焼き上がりを待つ間に、叔母から意外な一言が。
「先週、京都の〈喜幸〉さんに行ってきたわよ」
「えっ」
「だって、日記で紹介しているイッシーさんという方の文章、あんまりおいしそうなんだもの」
「で、どうだった?さぎしらずは食べたの」
「さぎしらずはなし。でも、お料理はみんなおいしかったわぁ」
「でしょう」
「突き出しの、青豆のお豆腐。ほんのり温かくて、不思議なお味よね。合鴨は火のとおりがよくって、これまた結構。堀川ごぼうは、芯をくり抜いて、あれは生の鱈子かしらね、入っていて味のバランスがいい具合。最後に注文した白魚の玉子〆は、玉子がふんわりして、頼りないのとは違うしっかりしたお味でね。みな、よかったわよ。いらしているお客さんもイッシーさんがおっしゃる通りね。ちょうどカウンターに三人の年配の方が座っていらしたんだけど、まるで小津映画に出てくる佐分利信と中村伸郎と北竜二みたいで」
と、叔母も〈喜幸〉さんをすっかり気に入ったようでした。

1月13日(木) 旧暦:十二月四日 先負 丁酉 冬晴れ
寒さで、かんかんの朝。北の国は大雪。今年の冬、睦月に入り、寒さが増しているようです。暖冬だと思って春物にシフトしてしまった服屋さんはちょいと気が早かったですね。
さて、本日。次回の体験道の参考にと、日本橋の老舗を巡るイベントに参加してきました。十時に高島屋日本橋店正面玄関に集合。老壮男女、総勢十一名。まずは同店入口で建物の歴史などお聞きしたあと、二階にある日本でここだけという仏タイユバンのワインショップ〈ESPACE TAILLEVENT〉で試飲、次いで〈山本山〉さんの喫茶室で抹茶とほうじ茶をご馳走になりながらお話を聞き、三軒目の〈はいばら〉ではご主人と奥様と出迎えを受けて店内では水引の結び方などを見せていただき、最後に訪問した〈榮太樓〉さんでは、案内の方がお話してくださる数々の薀蓄話に、イッテツの目からうろこが落ちっぱなしでした。時間しておよそ二時間。尾も白い。でも、もう少し聞きたい、もう少し奥に行きたい・・・。当倶楽部が同様の体験道をするとしたら、このあたりにヒントがありそうです。それにしても、案内してくださったみなさん、いいお顔。「手前ども」「商う」という言葉を久方ぶりに耳にして、とても新鮮でした。お昼は、〈はんなりや〉で。

 1月12日(水) 旧暦:十二月三日 友引 丙申 晴れ
タイちゃんから、電話。「がんこちゃーん、助けてよー。来月の六日、海苔の日なんだけど、三越の本店でのイベント、なにかいいアイデアない?」「そうねぇ、近頃はほんとの海苔の味を知っている人も激減しているようだし、ちょっと考えてみようか」「頼むよー」というふうな会話あり。
イッシーさんよりお便り。いつもいただくお便りの内容から、てっきり京都に馴染みの深い方だと思っていたのですが、ご出身は、あんこうの捕れる北関東の町とのこと。ちょっとびっくりしましたが、だからこそ京への思い入れも深いのかもしれません。夜、冷える。鱈の子をまぶした大根煮。

1月11日(火) 旧暦:十二月二日 先勝 乙未 晴れ
本日、鏡開き。お供え餅を割って、お雑煮にとお汁粉に。鎌倉の節子叔母より電話。三連休を過ぎて、鎌倉もようやく静かになったようです。「たまにはいらっしゃいよ」というわけで、週末遊びに行くことにしました。

1月10日(月) 旧暦:十二月一日 赤口 甲午 晴れ
成人の日。高木泉先生よりお便り。昨年、高木先生が書いてくださった『ベルギー日記』に登場された従妹一家が、ロシアへ転勤されることに。ついては、ロシア便りを寄せてくれることになりました。

今月にはまずご夫一人がロシアに向かい、住居を探したのち、従妹と6歳の子どもが引っ越します。美しい味くらぶの会員でもありますし、食べるのが大好きな家族の奮戦記は、おもしろいと思いますよ。私がロシアを訪れたら、また日記を書きます。

楽しみですねぇ。

1月9日(日) 旧暦:十一月廿九日 先負 癸巳 晴れ
佐賀県の有田町に住む会員のYさんより、『プロジェクトArita』を知っていますか?というお便りをいただきました。文面に目を通すと、有田焼の窯元有志十四名が集まって、究極のラーメン鉢をこしらえたというプロジェクトとのこと。ふむふむと思って、早速紹介されたアドレスをクリックしてみると、なるほどこれはおもしろい。「なかなか、洒落てますなぁ」と、イッテツも興味深々でした。

今日展示会に行った〈昭峯窯〉という窯元も、プロジェクトAritaに参加しているのですが、その一方で、伝統的でクラシックな有田焼と、現在の洋食文化の中の食器とのギャップを気にしていて、有田焼でこの隙間を埋めるために、『Blue Valley Pottery』というブランドを立ち上げているほどです。

日本を代表する焼き物の産地も、新しい姿を模索しているようです。

1月8日(土) 旧暦:十一月廿八日 友引 壬辰 晴れ
イッシーさんより、新年のお便りをいただく。イッシーさんとの思いがけないご縁は、昨年の大きな喜びでした。

室町元子さま
良き新年をお迎えのことと存じます。

暮れの29日には、例によって京都日帰りをしました。岩倉に住む知人宅の餅つきに、まず付き合いました。ここでは、つきたての餅に丹波の黒豆の納豆と黒砂糖を餡にして、おむすび形にまとめた、くるみ餅を作ります。

つきたては、まだ熱々で、これを口に入れると黒砂糖が蜜のように溶け出し、納豆といい具合になじみ、なんとも言えぬウマさになります。たくさん作っておいて、後日、火鉢の金網でじっくり焼いていただきます。焼き目の香ばしさと黒砂糖のコクのある甘味と丹波黒豆納豆の食感が口中に乱舞し、東国にははない、「日本の味」となります。このやり方は、ここ岩倉や、鞍馬峠を越えた花脊の里あたりにも見られます。が、秀逸はつきたてで作った味であります。

正月用の餅を確保し、岩倉を辞し、前日に頼んでおいた和菓子のように美しい「ひと口寿し」を受け取りに北山の店へ。帰り道、あまりの暖かさに北山大橋から出町まで賀茂川の堤をぶらぶら歩きで約一時間。川には、鷺、鴨、ゆりかもめなどの渡りが遊び、ところどころにある堰に落ちる水音が、耳を心地よく慰めてくれます。間近に見る叡山の頂には冠雪が、午後の西日に光ります。ふと鞍馬の方を振り向けば、山々は薄っすらと雪化粧。このぶんだと、花脊や広河原の田野にも雪が積もっているかも知れないなどと、思いをめぐらすうちに、出町へ。

毎年、出町へ来る目的は、正月飾りの根引きの松を買うためです。わが家では、正月には根引きの男松と女松を組み合わせて半紙に巻き、紅白の水引きをかけたものを門口にかけます。実はこの根引きの松が東京ではなかなか見つかりません。茶花を扱っている店ならあるのかも知れませんが、この松を手に入れることを大義名分に、毎年、おさめの京都行き、と相成る次第。出町の「種げん」という花屋ですと間違いなく用意してあります。以前には町内の花屋や振り売りのおばさんにもあったのですが、このごろはほとんど見つからなくなってしまいました。そして、おかみと「良いお年を!」とあいさつを交わして松を手に、出町柳の市場へ。

そして、これも何年も通う出町柳市場の路地にある「森田英」ですぐき漬けを買います。ここは、みぞろが池にある店から昔ながらの、木の樽詰めのまま持ってきており、正真正銘の無添加のすぐき漬けです。自然の味わいがたまりません。みやげ物屋や、プラスティックの樽に詰めた、市中の有名漬け物店のものなどとは比べものにはならない、ピュアな味わいです。

このごろは、猫も杓子も錦市場へですが、小生は「有次」以外はほとんど足を向けません。京都は、ここ出町をはじめ、大宮、北野、古川町など、この町らしい市場がいくつもあり、庶民的で実に楽しいものです。錦はどこぞのテーマパークのようで、昔の良さが無くなってきているようで面白くありません。

で、京都駅へ向かう途中に、四条河原町の路地裏にある立ち飲み居酒屋(私はここを勝手に「裏京都パブ」と呼んでいます)で、熱燗とふぐの唐揚げで一年の京都の〆としました。

では、今年も充実した一年でありますように!おすこやかにお過ごしください。

どうもありがとうございます。イッシーさんが寄せてくださるお便りは、美しい味の世界を広げてくれます。今年も懲りずにお付き合いいただけたらうれしいなぁ。本年も、どうぞよろしくお願い致します。
 1月7日(金) 旧暦:十一月廿七日 先勝 辛卯 晴れ
寒さ、少し和らぐ。朝、七草粥。
昨日読んだ『男に生まれて』の興奮覚めやらず、日本橋界隈を歩く。〈三越〉〈にんべん〉〈鮒佐〉〈八木長〉〈西川〉〈榮太楼〉・・・、いつも何気なく見ていた暖簾や看板が眩しく見える。

 1月6日(木) 旧暦:十一月廿六日 赤口 庚寅 晴れ
底冷えの一日。炬燵にて、タイちゃんが教えてくれた『男に生まれて 江戸鰹節商い始末』(朝日新聞社)を読む。著書は、荒俣宏さん。幕末の日本橋、〈にんべん〉の八代目高津伊兵衛を主人公に、〈榮太楼〉の細田安兵衛、〈山本山〉の山本嘉兵衛、〈三井越後屋〉の三野村利佐衛門、そして〈山本海苔店〉の山本徳治郎・・・、いまも残るお店や主人が実名で登場し、江戸っ子の心意気とモノ(商品)がたりが小気味良いテンポで書かれた快作。一気通読の面白さ。去年の暮れあたりからちょいと京都づいていたわたくしですが、東京、とくにこの日本橋にまた惚れ直しました。「それにしても、がんこちゃん、荒俣さんはいい人だよー。「ようやく出来上がりました」って、ご本人が会社まで本を届けてくれたんだから」
1月5日(水) 旧暦:十一月廿五日 大安 己丑 晴れ
冬のパリから懐かしい便り。

フランスでは今日1月5日は、カトリックの公現祭(EPHIPHNIE)の日に当たります。この日は、GALETTE DE ROIS(王様のガレット)というのをみんなで食べます。普通のパイ生地のお菓子で、中にFEVE(フェーブといって、ソラマメという意味)陶製の小さな像を入れておくのです。そしてみんなで食事のあと切り分け、なかにFEVEのはいった一切れが当たった人が一同の王様になり、金色の紙の王冠をかぶって王妃を選びます。学校でも給食で必ずでますので、夕方街にかわいい王様があふれるのですよ。我が家は今年、手作りに初挑戦。でも子供たちが半分をお決まりのアーモンドクリーム、半分はあんこがいい!!ですって。でもおいしくできましたよ。今度はFEVEのかわりにお餅を入れたりしてね。やってみようかな? 写真は、今年のGALETTE DE ROISと我が家の歴代のFEVEです。

まあ、可愛らしいFEVE。久々にパリの冬空を想い出しました。ありがとう、エミちゃん。今年もよろしく。
1月4日(火) 旧暦:十一月廿四日 仏滅 戊子 晴れ
昨日までとは打って変わって、春ような暖かな一日。朝から、山本海苔店へ木遣を見に行く。九時ちょうど、半被姿も勇ましい、い組みの皆さんが現れて、昔ながらの節回しで祝。江戸商家のお正月の風情をいまに伝えます。「なかなかいいもんですなぁ」と、イッテツ。そのあとは、去年も参加した日本橋七福神巡り。ぽかぽかの好天もあって、昨年以上の人手です。小網神社や茶の木神社などは本殿へのお参りを諦めて、列の外から失礼させていただきました。大人版ポケモンラリーといったところでしょうか、なかなか楽しい催しです。七つの神社を小一時間ほどかけて回り、三越屋上で記念の絵馬手拭をいただき、中央通りをぶらぶらと銀座まで歩く。夜には寒さが戻りましたが、いい一日でした。

1月3日(月) 旧暦:十一月廿三日 先負 丙戌 晴れ
タイちゃんが遊びにくる。「明日、本店で木遣(きやり)をやるから、よかったら来てみて」

1月2日(日) 旧暦:十一月廿二日 友引 丙戌 晴れ
湯島天神に参拝したあと、切通し坂を降り、まだ雪の残る不忍池を歩いていたら、今井老人とばったり。新年の挨拶を交わし、一緒に弁天島の方へ歩く。「ほう、珍しい」と今井老人が見上げた空に、凧ひらり。

1月1日(土) 旧暦:十一月廿一日 先勝 乙酉 晴れ
日本に帰ってきてから、三度目のお正月。朝、お雑煮をすませ、揃って神田明神へ初詣。今年は乙酉(きのととり)。鶏には、文・武・勇・仁・信の五徳が備わっているとか。人心乱れた世の中が少しでもおさまるとよいですね。破魔矢を買い、〈天野屋〉さんで甘酒。
午後、炬燵で年賀状を読んでいたはずが、知らぬ間に転寝る。