鱧(はも)の骨切り名人
鱧といえば、夏の味。
とくに関西地方では、欠かすことができない食材であり、
京都の祇園祭は「はも祭り」の異名があるほどである。
鱧の味は非常に淡白で繊細であるが、小骨が多いという難点がある。
そのために生み出されたのが、「骨切り」という独特の料理法である。
鱧の味はこの骨切りの上手下手で決まるとさえいわれている。
さて、その骨切りであるが、一寸(3.3cm)の間に二十五回包丁を入れて切るのが
名人上手とされ、昔からの板前の修業の一つとなっている。
一切れがおよそ1mm、そう簡単にできることではない。
ちなみに、〈辻留〉の辻嘉一氏は、二十六、七までは包丁が入ったそうである。
その嘉一氏が腕を振るった鱧料理に、有名な「牡丹鱧(ぼたんはも)」がある。
骨切りした鱧に葛粉をまぶし、塩の湯でうでる。すると真っ白な鱧の身がほどけ、
そこに青いさやえんどうが添えられた姿は、まるで白牡丹のようであったという。