| Ganko: |
早速ですが『ほっぺたぽろりんレシピ』、拝見させていただきました。こう言っては失礼かもしれませんが、とてもかわいらしい本ですね。
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| 家の光協会刊 1,400円(税抜) |
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| 阿 木: |
嬉しいです。どうもありがとうございます。 |
| Ganko: |
前からお料理の本をつくってみたいという気持ちはあったのですか。 |
| 阿 木: |
何度かお話をいただいたんですが、わたしのつくるものは家庭料理だし、別にちゃんと勉強したわけでもないし、ちょっと気後れしていたんです。今回はたまたまグッドタイミングなお話をいただいて。 |
| Ganko: |
グッドタイミングというのは? |
| 阿 木: |
わたしは野菜が大好きなんですが、野菜中心のお料理で構いませんよということだったので、それならやってみようかなって。 |
| Ganko: |
それで野菜を使ったお料理が多いんですね。本の中で紹介されている料理はふだんお家でこしらえている料理なんですか。それとも本のために新しく考えたものなんでしょうか。
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| 阿 木: |
つくり下ろし、というんでしょうか。新しく考えたメニューが多いんですよ。というか日々の食事がそうなんです。あまり同じ料理をつくったことがなくて。その時々、冷蔵庫を開けた瞬間に料理を決めるみたいなところがあるんですね。残っている野菜があると、これとこれとこれと組み合わせて何がつくれるかな・・・、毎日毎日、創作料理をつくっている感じかしら。この本の中にも写真取りの前日にスーパーに行ってひらめいたものですとか、撮影をしている合い間に、これはどうかなとか思ってつくったものがあります。結構それがヒットだったりして(笑)。 |
| Ganko: |
たとえば? |
| 阿 木: |
表紙でも使っている〈鳥の巣ごもりサラダ〉なんていうのは、撮影の前の日にスーパーに行って野菜売り場でプチトマトを見たときにひらめいたんです。そうだ、丸いものだけ集めてサラダをつくったら楽しいだろうなって。銀杏、グリンピース、葡萄、マッシュルーム、うずらの卵、グリンピース、甘栗、まあるいものだけでできているサラダ。ね、かわいいでしょ。 |
| Ganko: |
ほんとに鳥の巣みたいですね。食べられる鳥の巣。おもしろくておいしそう。世の中に料理の本はたくさんありますが、阿木さんらしさってなんだろうって質問しようと思っていたんですよ。ひらめきというのは、阿木さんらしいですね。どんなふうにひらめくんですか? |
| 阿 木: |
うまく説明できないんですけど、頭の中に落っこちてくる感じかしら。 |
| Ganko: |
え? |
| 阿 木: |
イメージとしては、レシピが頭の中に落っこちてくるの。だからわたしはお料理はいくらでも考えられると思ってます。たとえば、ページの最初のオードブルは野菜を立たせてみたいと思ったの。立つ野菜だけの前菜をつくってみようって。野菜がみんな寝ている必要はないなと思って。 |
| Ganko: |
〈スタンディングオベーションの前菜〉ですね。 |
| 阿 木: |
そう。野菜がみんな立ってるの。思いの外、立つとかわいいんですよ。ほかにもトマトに下着をはかせてみたいなとか、ブロッコリーを見てクリスマスツリーをつくりたいとか、野菜を三つ編みにしてみたいなとか、大根おろしをシャーベットにしたらどうだろうとか、秋刀魚の開きをパンにはさんだらおいしそうとか。友人に言わせると、秋刀魚の開きをパンにはさむなんて、ふつうあんまり発想しないわよって。 |
| Ganko: |
しません、しません。ちょっとびっくりしてしまいましたが、そうするとこれは阿木さんの頭に落ちてきたレシピをたくさんかたちにできた本なんですね。出来には満足しています? |
| 阿 木: |
ちょっとだけ不安なのは調味料の分量。つくるのは私一人で、そばでマネージャーがアシストしながら分量を書き留めてくれていたんですけど、メモを取ってもらう前に、もう(調味料を)入れてるの。お砂糖とかお塩とか無意識のうちに入れている。計量カップで計る習慣がないから、ターッて入れて、あとから何杯でしたか?って聞かれて、何杯だったかしらって。だからレシピ通りに作ったとして、おいしいかどうか、多少は不安なんです。自分の勘でやっちゃうでしょう。手が先に動いちゃう。今回はきちんと計らなきゃいけないんだと分かっていても、 |
| Ganko: |
もう動いている(笑)。 |
| 阿 木: |
そう。これはやっぱり永年の習慣ですね。アレヨアレヨという間にすべては出来上がっていました。でも料理というのはもちろんおいしくなきゃいけないんですけど、こうでなきゃいけない、レシピはどうのという話ではなくて、絵を描くように、子供が粘土細工するようにつくる。つくることを楽しむっていうことがすごく大切なんだと思うんですね。 |