美しい味を体験する
第三回
美しい味くらぶ・東京ガス新宿ショールーム共催 料理教室「いずみの美しい食卓〜京風 こだわりの葛料理〜」
昔から葛(くず)が大好きでした。風邪気味のときに母親がこしらえてくれた葛湯、うま煮やあんかけ・・・。いまでも葛は私の料理やお菓子づくりに欠かせないものとなっています。葛には片栗粉にはない弾力性があり、そこから生まれるとろみの味わいは、日本独特の味覚(舌覚)ではないでしょうか。最近の家庭料理であまり使われなくなっているのはとても残念です。この体験道では、そんな葛の魅力を料理することを通してぜひ発見していただきたいと思っています。

今回使用するのは、福井県の熊川というところで生産されている〈寒晒熊川葛〉です。葛といえば吉野が有名ですが、この熊川葛は江戸時代の儒学者 頼山陽によって「吉野葛より余程上品」と賞されたもの。ただし、いまでは生産者の数も限られてしまい幻の葛となっています。私に熊川葛の存在を教えてくれたのは、京都在住の陶芸家 小松華功さんでした。素朴さと洗練さが同居し、重厚感の中にかるさのある小松さんの作品に魅せられた私は、今年友人と一緒に小松さんの蕗窯(ふきがま)を訪ねました。蕗窯は、丹波の奥深き里にあります。京都から車でおよそ一時間半、自然の山懐に抱かれた窯やそこから生み出された作品を拝見し、ふうと一息ついた折、小松さんが「こんなものでよろしければ」と手づくりの葛きりを出してくださいました。そのおいしかったこと! やわらかくありながらも、しっかりとこしのある、素晴らしい葛きりでした。それ以来、私は熊川葛の虜になってしまったのです。

寒晒(かんざらし)というのは、原料である葛の根に含まれている澱粉を清流で繰り返し晒し、寒風で自然乾燥したもの。潤いのある浄白色をした結晶体は、独特の香り、風味と粘りを持っています。この特長をいかし、食材としての葛がもつ広がりと奥深さを知ることのできるメニューを考えてみました。いずれも私なりのこだわりを入れた京風の料理ですが、ご家庭でできることを基本にしています。身近な食材にひと工夫を加えてフォアグラに見立てるようなアイデアも取り入れていますので、どうぞお楽しみに。   高木泉
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料理教室写真1 料理教室写真2

「料理教室」へのご案内
開催日時 平成16年3月6日(土) 11:00〜14:30
メニュー 1.蟹入り海苔羹
2.揚げ葛まんじゅう
3.大根とフォアグラの葛かけ丼
4.葛と南瓜のココット
5.フルーツの葛ジュース
講 師 高木泉
(料理研究家、俳人、美しい味くらぶ「季題でつくる美しい味」担当)
受講料 3,500円(材料費、税込)
定 員 18名(会員限定)
*定員になり次第、締め切らせていただきます。
会 場 東京ガス新宿ショールーム1階 クッキングスタジオ


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