季題でつくる美しい味


今月の季題「松茸」
全国のそこかしこから紅葉の便りが届き始める神無月。我が家の近くにも、鮮やかさに目が奪われてしまうほどの紅葉の坂があり、毎年俳句の仲間たちと、吟行しながら紅葉狩りするのを楽しみにしています。紅葉狩が目の楽しみを追うものなら、口の楽しみを追うのは茸狩(きのこ狩り)。数ある茸の中の王様、そう、松茸が今月の料理の季題です。最近では輸入物が大半になっていますが、それでもそうそう気軽に買えるわけではありません。高価な松茸だからこそ、どんと主役にして松茸そのものを満喫したいものです。そんなわけで今月は、松茸が主役になる〈天ぷら〉と〈ステーキ丼〉をこしらえてみました。二品ともちょっと贅沢な食べ方ですが、いかにも松茸を食べたという気がして、とっても満足感があるはずです。天ぷらは松茸を一本丸ごと使い、揚げたてを懐紙にくるんで、すだちをキュッとしぼってかぶりつきます。がぶっといってくださいね、がぶっと。ところで我が家の天ぷらは市販の天ぷら粉は使わずに、小麦粉を冷水で溶いたものを使います。こうしますと衣がしつこくなく、旬のお野菜をとてもおいしく、たくさんいただくことができます。ステーキ丼も松茸を大ぶりに割いて使うのがポイントで、松茸の歯ざわりや風味を口いっぱいに味わうことができます。立派な椎茸やエリンギなどもこうして食べると醍醐味があります。どうぞお試しください。

松茸の天ぷら
松茸の天ぷら
写真撮影/尾田 学
材料(2本分)
松茸 2本
小麦粉 20g
冷水 20cc
酢橘(かぼす) 1個
揚げ油 適宜
つくり方 
松茸の天ぷらのつくり方
1. 松茸は手ごろな大きさのものを選んで、土やごみなどを払い、根元の部分を斜めに切り落とします。
2. 1を丸のまま揚げる。揚げる直前に、小麦粉と冷水をさっと混ぜ合わせて衣をつくって松茸につけます。衣を薄めにつけるのがポイントです。
3. 竹串を刺してスッと通れば揚がっています。酢橘かかぼすを絞って懐紙で巻いて、揚げたてを堪能してください。

松茸のステーキ丼
松茸のステーキ丼
写真撮影/尾田 学
材料(2人分)
松茸 3本(1人前、1本半)
濃口醤油 大さじ2
大さじ2
みりん 大さじ1
無塩バター 大さじ1
炊きたてご飯 適宜
つくり方 
松茸のステーキ丼のつくり方
1. まずは、濃口醤油、酒、みりんを混ぜ合わせてタレをつくります。有塩バターを使う場合は、醤油を少し控えめにしてください。
2. 松茸を手で二つ割にします。
3. フライパンを熱してバターを入れ、2の松茸を入れて中火弱で焼きます。
4. 仕上げに1のタレを入れ、松茸によくからめます。
5. 炊き立てのご飯に松茸をのせて、フライパンの中に残っているタレをかけ回します。お好みで、ご飯の上に焼き海苔をしいてから松茸をのせてもおいしく召し上がれます。


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