季題でつくる美しい味


今月の季題「雑炊」
日々、寒さが募っていく師走。あたたかな雑炊が恋しい季節になります。家族で鍋を囲んだ仕舞いに、あるいはお酒を召し上がった後にいただく雑炊はなによりのご馳走になります。ものの本によると「雑炊」は当て字で、古くは「増水」と書いていたとか。貴重なお米にお水を入れて増やしたからこう呼ばれたのかどうかは定かではありませんが、冷めたご飯を暖かくおいしく食べるために考えられた先人の知恵ではないかと思います。雑炊の魅力はなんと言っても、ご飯と具材、汁が一体となって醸し出される旨さにあります。またシンプルなだけに、いろんなものを包み込む大きさを持っています。お出しについては鰹節と昆布はもちろん、鶏や魚のスープ、干し椎茸などの戻し汁、野菜のスープ・・・それぞれに違った味わいがあります。具材も魚介類、肉類、野菜類、卵、豆製品など旨みのあるものならなんでも使えます。
そんな中で、今回は冬の味覚を代表する牡蠣(かき)、そして滋養に優れたすっぽんの雑炊をこしらえてみました。牡蠣は、加熱用で小粒なものを選ぶこと。生食用は、旨みがパックの中の水に溶け出してしまっているため香りもあまり良くありません。すっぽんは今回ちょっと贅沢をさせていただいて、京都で三百年以上の歴史を持つすっぽん料理〈大市〉さんから取り寄せましたが、市販のすっぽんスープでも十分おいしくいただくことができます。雑炊は、出来たてを食するのが大原則。ふうふうしながら窓を見ると、硝子が湯気でふんわかと曇っている。今年もまた冬がやってきたなと思います。

牡蠣雑炊
牡蠣雑炊
材料(2〜3人分)
ご飯 250g
小さじ2/3
牡蠣(小粒) 2パック
薄口醤油 小さじ1弱
出汁 4カップ
黒胡椒(荒引き) 少々
つくり方 
1. まずは牡蠣を下ごしらえ。ざるに入れて、流水で2〜3分よく洗い、熱湯を30秒通します。少し手間ですがこうすると汁がにごりません。
2. 出汁を温めて調味し、ご飯を加えます。沸騰したら火を弱めて5〜6分くらい煮て、牡蠣を加えて静かに2分程度煮ます。
3. 仕上げに薄口醤油で味を調えます。
4. 荒引きの黒胡椒をふると、牡蠣の味が一層引き立ちます。

すっぽん雑炊
すっぽん雑炊
材料(2〜3人分)
ご飯 200g
すっぽんスープ 2カップ
つくり方 
1. 市販のすっぽんスープを温めます。
2. 沸騰したら、ご飯を入れて煮ます。
3. お好みで青葱を散らしてください。

トレビア〜ン!の泉 はち
ご飯について
ご飯は電子レンジなどで温めてから雑炊に仕立てた方がおいしく仕上がります。さらりとした方がお好みであれば、さっと洗ってご飯粒のまわりネバネバを洗い流し、気にならなければそのままでもいいでしょう。途中でかき混ぜると粘りが出ます。

調味料については
味噌、塩、醤油の清汁仕立てがあり材料によって使い分けます。食べ始めはやや薄目の味付けし、食べ終わる頃にちょうど満足いく加減にするのがコツです。食べ始めからちょうど良い味にすると、食べ終わりに飽きてしまいます。

薬味について
相性の良い薬味は雑炊の味をより一層引き立てます。葱、生姜、胡椒、七味唐辛子、一味唐辛子、陳皮(ちんぴ)、三つ葉、芹、紫蘇、茗荷、海苔、山葵、木の芽、山椒などお好みに応じてお試しください。


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