季題でつくる美しい味


今月の季題「海苔」
山本海苔店に『梅の花』というブランドがあります。海苔と梅の取り合わせを不思議に思って担当者の方に尋ねると、創業の頃、江戸前の海苔は梅の香ただよう寒中に採取されていたことに由来するのだとか。梅にはまだ少し早いですが、新海苔が採れる十一月下旬から三月一杯まではいわゆる海苔の旬。今回はふだん脇役になることの多い海苔が引き立つような料理を考えてみました。
〈海苔の寒天寄せ〉は、以前どこかの料亭でいただいたもずくの寒天寄せから思いついたもので、海苔が主役のちょっと贅沢な一品。わが家ではお酒を召し上がるお客様がいらした際の前菜や箸休めとしてお出ししています。海苔の香りと味を引き立てる三種のソースはお好みでどうぞ。二品目の海苔をベースにしたソースは、殻付きの生牡蠣と合わせてみました。牡蠣にはレモンがふつうですが、ちょっと趣向を変えてみたいときなどにいかがでしょう。焼いた帆立などとも相性が良いと思いますよ。三品目の〈海苔のひき肉はさみ〉は、ひき肉に牛蒡と人参を混ぜ込み、全判一枚の海苔で包んで焼く海苔ステーキです。牛肉のたんぱく質、根菜の栄養素、海苔に含まれるミネラルやビタミン類がバランス良く摂れますので、お子様にもぜひ食べて欲しい料理です。
いずれの料理も海苔をふんだんに使用しますので、板海苔をいただいたときなどにぜひお試しください。一月は新海苔も手に入れやすい時期、新海苔を使えば海苔独特の香りが一層引き立ちます。

海苔の寒天寄せ(三種ソース)
海苔の寒天寄せ(三種ソース)
材料(5×21×4cmの型1本分)
焼き海苔 10枚(全判)
粉寒天 4g(1袋)
出汁 360cc
40cc
薄口醤油 小さじ2
少々
つくり方 
1. 鍋に出汁、酒、粉寒天を入れ、煮立てます。沸騰したら、薄口醤油、塩を入れます。
2. 火を弱めて、焼き海苔をちぎりながら入れ、混ぜ合わせます。
3. 水でぬらした型に流し込んで冷蔵庫で冷やします。
4. 固まったらお好みの大きさに切り、ソースをかけて召し上がりください。
ソースの材料とつくり方
1. 白子ソース(写真上)
  白子 100g 薄口醤油 小さじ1
  酒  50cc   わさび  少々
 
白子をひたひた酒で煮る。
薄口醤油を加えて、フードプロセッサーで滑らかにし、お好みに合わせてわさびで味をつけていきます。

2. 辛子明太子ソース(写真中)
  明太子     60グラム(1腹)
  サワークリーム 大さじ3
 
明太子の中身をほぐしてサワークリームと混ぜ合わせます。

3. 生姜ソース(写真下)
  出汁  25cc 薄口醤油 5cc
  煮切酒 5cc   生姜汁  小さじ1
以上を混ぜ合わせます。

生牡蠣の海苔ソースがけけ
海苔のひき肉はさみ
すっぽん雑炊
海苔のひき肉はさみ
材料(3〜4人分)
材料(1人分)
生牡蠣(殻付き)  人数分
A. ゼラチン  3g
冷水  25cc
白ワイン  275cc
焼き海苔  3枚
B. オリーブ油  大さじ1
  レモン汁  大さじ2
カイエンペッパー
焼き海苔  1枚(全判)
A. 牛ひき肉  100g
牛蒡  60g
人参  20g
 1/2個
タレ (濃口醤油2、酒2、味醂1の割合で混ぜたもの)
サラダ油
牛蒡はさきがきにしてさっと茹でる。人参はみじん切りにしておきます。
つくり方
つくり方
1. 小鍋に白ワインを入れて、沸騰させてアルコール分をとばします。
2. あらかじめ冷水でふやかしておいたゼラチンを1に入れ、さらに焼き海苔を細かくちぎって入れて混ぜ合わせ、器に入れて冷やします。
3. 2のソースを生牡蠣にのせて、上からオリーブ油とレモン汁を合わせたものをかけます。お好みでカイエンペッパーを軽くふります。
1. Aを混ぜ合わせます。
2. 焼き海苔を半分に折り、そこにAをのせて平らになるようにのばし、残りの半分を折り返します。
3. フライパンにサラダ油を入れ、2を焼きます。フタをして中火でまず7分目くらい焼き、裏返してさらに2分ほどで焼きあがります。
4. 仕上げにタレをフライパンのふちからゆっくりと注ぎ、からめます。

トレビア〜ン!の泉 はち
板海苔の保存方法
板海苔は保存の仕方がわるいとすぐにしけってしまいますが、しけると風味が失われ、今回の料理だけでなく佃煮にしてもおいしくありません。そこで、家庭でできる海苔のしけ止め方法を。まず厚めのポリ袋に乾燥剤と一緒に入れ、口を二回ほどしっかりと折ります。さらに折った部分の両端を内側に折り、セロテープで止める。ここがポイントです。これをもう1枚のポリ袋に入れれば完璧。海苔に限らず、乾燥品はすべてこの方法で保存すると、風味を損なわずに長持ちします。


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